むらさき通り
近藤レミ子 学院長
ゲンノショウコの花が庭のあちこちに広がった。
這うようにして広がり、抜いても抜いてもまた生えてくる。
大切な花の近くに陣取り、居座り、その花を弱らせる困りものだが、秋になると赤むらさきの小さな花をたくさん咲かせる。切れ込みの深い形の良い葉や、種を飛ばした後の殻のおどけた形を見ると、私の嘆きもその時だけは薄らいでしまうのだ。
「こんなところに生えては駄目ね」と叱っているが、憎めない悪ガキのようなこの花は、私の庭から出ていくことはないと思う。
同じ色調のクモマ草を加えて画面に配せば、素敵にまとまり、紫色の花の小道を見るようだ。
使用花材 | ゲンノショウコ、クモマソウ、他 |
サイズ | 200×300mm |
掲載 | 現代押し花アートの世界「花想い」 |